444Hzと440Hz 平均律と純正率

音楽では平均律と純正率というものがあります。

和音やヒーリングには純正率の方が良いとよく言われますが、楽器を測定するチューナーは平均律で計測するしくみになっています。

ですから計測する場合は、平均律で基準値Aを決めることになります。

平均律の場合、444Hzと440Hzの違いはジョン・レノンの本に詳しく書いてあります。

Aを440Hzに設定すると528Hzがどの音階にも含まれなくなり、

Aを444Hzに設定すると528Hzが高いドの音階に含まれるということです。

ただクリスタルボウルの場合、音域が非常に広く、一般の調弦楽器のようにドンピシャでその周波数だけになるわけではありません。

音階によって幅の差がありますが、数十ピッチの幅がありますので、それほど神経質にならなければ、どれかの音階には入っていると思っています。

しかし、「正確な音階」とやらでピッチレベルまでドンピシャのものだけを選ぶとどうなるでしょうか。

Aを440Hzに設定していた場合、高いドでなくともどこかに528Hzが含まれるところですが、

①平均律A=440Hz

②「正確な音階(=ピッチ幅が極端に狭い)」 

の2つの条件を同時に満たしてしまうと、クリスタルボウル8音階すべてを音階別に揃えた場合に、528Hzがどの音階にも入らなくなってしまうのです。

平均律A=444Hzですと、正確な音階だろうがそうでなかろうが、高いドの中に528Hzは含まれるのです。

そういう理由で当社では、444Hz基準で計測していますし、「正確な音階」には一体どういう意図が働いているのだろうかと考えてしまいます。みなさまはどう思われますか?

当社とUSAで最も老舗のK社では、「正確な音階」というのはやっていません。

もともと調律できない楽器で「正確な音階」という表現がなぜ作り出されたのか、すごく不自然なのです。

絶対的な音階表記ではなくて、非常に相対的な音階表記なのです。基準音が少しでも変わればもう意味がありません。

オーケストラはその都度基準音を指定しています。日本の場合は442Hz~443Hzが多いそうです。

ウィーンフィルハーモニーは444Hz~448Hzが多いです。

18~19世紀は430Hzほどで、高いドではありませんでしたが、どれかの音に528Hzが含まれていました。

時代とともに基準音は上がってきています。国によっても違います。