松江のお留め菓子

今日は和菓子のお話です。

マーガリンやショートニングが多く使われている洋菓子に比べ、添加物が少ない和菓子は甘味分をチェックするだけでいいので比較的安心して食べられます。

打ち菓子は仏前によく供えられるせいか、生家では仏様の食べるものとして私だけが好んで食べていました。

茶人の松平不昧公で有名なお茶処・島根県松江市。

松江は京都・金沢と並び日本有数の菓子処と呼ばれる程人々の生活とお茶・お菓子が深く結びついています。 お茶はその味を愉しむだけではなく、目で愉しむもの。 そういった趣向の和菓子が松江には多くあります。


御菓子司・一力堂さん。 創業250年を越える老舗です。 古くは松江藩の御用達を勤めていた事もある由緒ある御菓子司。
松江藩の御用達を勤めていた当時は左の写真のような箱に御菓子を入れてお城に納めていたそうです。

 

この姫小袖(ひめこそで)はその一力堂さんを代表する銘菓。 姫小袖はお殿様から茶会や法要の折に特別にご用命を頂いたお菓子。

江戸時代から一力堂さんに伝わるもので、当時は他所売りを禁じられたことから「お留め菓子」と呼ばれていたそうです。


きめ細かな和三盆糖を更に2週間から1ヶ月にかけて一力堂さんに伝わる秘密の製法で精製し、中にあっさりとした「皮むき餡」を入れて打ち上げた打菓子です。 その上品な口解けは殊にお茶席で好まれています。